前回記事・貴船神社(本宮)の参拝ポイントはこちら
所在地&アクセス
〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町
奥宮・拝殿
結社
前回/貴船神社(本宮)の続きです。
貴船神社本宮~奥宮は徒歩で15分ほどです。
古い慣わしだと参拝順路は本宮→奥宮→結社との事なので、徒歩5分くらいのところに結社(ゆいのやしろ)があるんですが先に奥宮へ行きます。この順番でお参りすると願いが叶うといわれています。
結社への階段が左側にありますが直進します。階段を登りたいけど我慢です。
本宮から結社へお参りする人が多い中、古い慣わしの参拝順序どおりに歩いていると抜け駆けしているような何とも言えない背徳感。
貴船神社ホームページではさりげなく順番通りに名前を書かれています。神社としては正式な参拝順序というわけではないそうなので先に結社に行く事が良くないわけではなさそうです。
貴船神社の参拝は三社詣といい、貴船山の麓にある本宮、奥宮、結社を参ります。
貴船神社ホームページ
相生(あいおい)の杉
しばらく進むと左手に相生の杉というご神木が見えてきます
結構大きな杉の木です。
”相生=相老”夫婦共に長生きの意味。
相生の杉はご神木で同じ根から生えた二本の杉です。樹齢は約千年です。
相生の杉の奥に貴船神社の境外末社の私市(きさいち)社と林田社が祀られています。
右の私市社は大国主命、右の林田社は少彦名命(医薬・酒造の神)がご祭神です。
併せて【二ッ社】と呼ばれ貴船明神の荒御魂を祀っています。
思ひ川
相生の杉を過ぎるとすぐに鳥居と橋が見えてきます。
こちらの川は”思ひ川”といいます。鳥居の先の参道を進むと奥宮があります。
奥宮が昔は貴船神社の本社で参拝者はこの谷川で身を清めて参拝していたそうです。
和泉式部(平安時代中期歌人)が夫の愛を取り戻そうと貴船詣されたそうです。貴船神社は古来から恋を祈る場所でした。
千年以上前に和泉式部もこちらの谷川で身を清めされたんされたんですね。
奥宮への参道には貴船神社のトレードマークの灯篭が建てられています。ライトアップされたところも見てみたいです。
参道の途中の山側につつみヶ岩があります。高さ4.5メートル、重さ43トン以上、貴船石の巨岩です。
夏は草が生い茂っていて写真だとわかりにくいですが大きな岩でした。
こちらの参道も風情があって気持ちいいです。
奥宮
貴船神社・奥宮の入り口の神門に着きました。
門をくぐると木々に囲まれた広い空間に癒されます。貴船神社の奥宮は神仏評論家の桜井識子さんも京都にあるパワースポットの一つだとおっしゃってました。
門をくぐってすぐ左側に日吉社と連理の杉があります。
連理の杉は杉と楓が和合しためずらしいご神木です。連理とは別々の木が重なって一つになる意で夫婦、男女の仲睦まじいことを云います。和泉式部さんのように古来から恋愛で悩んだ人を癒す場所なんだなぁと改めて感じます。
違う種類の木が寄り添ってるご神木って初めて見た。夫婦も結局は他人なんだけど寄り添って生きていくわけだから、より人間っぽさを感じるご神木です。
日吉社です。
奥の方に拝殿と本殿があります。
こちらが拝殿で拝殿前に狛犬がいます。
阿吽の吽の狛犬さん。顔がキョトンとしてます。
阿吽の阿の狛犬さん。
吸葛社です。ご祭神は味耜高彦根命。農業や雷神、不動産の神だそうです。
船形石(ふながたいわ)です。この船形の石積みは玉依姫の御料の黄船を人目を忌みて小石で覆ったと伝えられています。この小石を持ち帰ると航海安全にご利益があるとされています。地名、神社名の貴船は「黄船」が起源という説もあります。
末社の鈴市社です。ご祭神は五十鈴姫命。神武天皇の皇后です。
近くにご神木の桂の木がありました。
生き生きとした木です。
本殿(奥宮)
元々の創建場所は奥宮で御祭神も本宮と同じ高龗神。社伝によると玉依姫命が黄船に乗って大阪の淀川から鴨川、貴船川をさかのぼって当地に祠を営んで水神を祀ったのが始まりとされています。
本殿下には巨大な龍穴があり、龍穴は人目を忌むべき神聖なものから誰も見ることが許されていません。日本三大龍穴【貴船神社(京都府)・室生龍穴神社(奈良県)・備前龍穴(岡山県)】の一つと云われています。
こちらは本殿を修復される際につかう仮置きの権地とよばれる場所。
近くに丑の刻参りについて書かれた立て札もありました。丑の刻参りは人々の心願成就に霊験あらたかなことを示すもので呪いの印象がつよいですが心願成就信仰だったんですね。僕はうっかり忘れていて見に行かなかったんですが「鉄輪(かなわ)」伝説の宇治の橋姫が頭に載せた鉄輪を置いた鉄輪掛石が叡山電鉄・貴船口駅の傍らにあると書いてありました。ただ、ネットでも探したんですが鉄輪掛石はどこにあるのか不明との事。うっかり忘れていて良かったのかも。貴船口駅の傍らの貴船川の川の中にあるという情報もありました。立て札に書いてあるのにどこにあるかわからないっていうのがなんともミステリアスです。
パワースポットの奥宮ですが山側を見て座れるベンチがあったのでしばらく座っていました。
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結社
奥宮を後にしてやっと結社に行けます。我慢したせいか過去に参拝した時より楽しみ度が倍増してます。
ご祭神は磐長姫命。神武天皇の曽祖父の邇邇芸命が木花咲耶命を娶る時に父の大山祇神が姉の磐長姫命も共におすすめしたが磐長姫命が醜かったため送り返されました。磐長姫命は大いに恥じ、「吾ここに留まりて人々に良縁を授けよう」といわれ御鎮座したと伝えられています。
なんだかモヤモヤする話ですがそんな不幸な状況下で磐長姫命が良縁結びをされているっていうのが凄いです。
そもそも姉妹二人を送り込まないでって思う…。タイプじゃない人と結婚するのも厳しいのは事実。誰が悪いってわけじゃないのがモヤモヤする。
この出来事により磐長姫命は長寿の神でもあったため人間の寿命は短くなったと云われています。
三社詣のラスト、結社へ。
階段を登ると鳥居が見えてきました。
本殿前はお参りの人の列ができていました。ちょっと空くまで近くに座る用の石があったので休憩。やっぱ、祈願されているのは女子が多いです。恋を祈る神、縁結びの神として信仰が篤いんですね。
本殿前です。男女の縁だけでなく人と人、会社と会社、就職進学などあらゆる縁を結んでくださる神様です。
前方には結び文を結ぶところと天乃磐船が見えます。昔はススキなどの細長い草を結び付けていたそうですが今は「結び文」を結びつけて祈願する習わしがあります。
天乃磐船は磐長姫命の御料船として平成8年に奉納された自然石だそうです。
和泉式部の歌碑もありました。
今も昔も夫婦、恋愛、人間関係で悩むのは変わらないんですね。
結社にもご神木の桂の木がありました。
ご神木の桂に結び文を結ぶと結んだ人の気が枯れてしまうそうです。結ばないようにしましょう。
なんとか貴船神社の三社詣をすることができました。
1時間以上歩いたのですがパワースポットだけあって気持ちよくお参りできました。
観光地でもあるのですが歴史も古く、男女問わず楽しめるエリアだと思います。僕は以前、鞍馬寺から歩いて貴船神社に行ったのでその時はじっくり参拝しなかったのですが今回は十分楽しめました。いつか川床も経験してみたいです。四季によって風景も変わるみたいなので紅葉シーズンの貴船神社も行ってみたいです。