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石清水八幡宮へ向かうケーブルカーの中で
流されているアナウンスで徒然草に書かれた
ある法師の教訓を話されています。
仁和寺にある法師、年寄るまで、石淸水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、たゞひとり、徒歩よりまうでけり。極樂寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人にあひて、「年比思ひつること、果たし侍りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」と言ひける。
すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。
徒然草 第五十二段
簡単に現代語訳すると
仁和寺のお坊さんが年を取るまで石清水八幡宮に
行った事がなかった。それを恥ずかしく思っていた。
ある日、思い立って徒歩で行ってみたが、
麓の寺と神社だけ参拝してそれで終わりだと
思い、山頂の本殿を拝まなかった。
帰ってきて友達に「山に登ってる人がたくさんいたけど、
自分は参拝が目的だから余計なことは
せずに帰ってきた」と語った。
どんな些細な事でも案内者(指導者)は欲しいという教訓である。
僕はこのアナウンスを聞いた時、
昔の人も同じような事やってるんだ、って
妙に納得してしまった。
というのも、僕も似たような経験を
何度かしたことがあり、それが今書いている
ブログを始める遠因になってるからです。
結論から言うと、僕は以前、友人と
出雲大社にお参りに行ったんですが
日本最大級の大しめ縄を見ずに帰っています。
出雲大社といえば大しめ縄といっても
過言ではないと思います。
なぜ見なかったか?
見なかったわけではなく、見ていたものが
大しめ縄ではなかった、という事です。
こちらです。
![](https://akirakarin.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_0295.jpg)
大しめ縄は本殿前にあるという思い込みと
そこそこ大きいしめ縄が本殿前にあるという
悲しい現実から起きてしまった不幸な出来事。
「ん、思ったよりも小さいかな?」と
思いつつ、6時間以上車を運転して
やっとたどり着いた出雲大社。
そんな状況で、「なんか、小さくない?」
なんて口が裂けても言えない。
そのあと、境内を散策したり、出雲そば食べたり
してウロウロしていたにもかかわらず
大しめ縄のある神楽殿には行くことはなかったです。
帰宅してからも、なんとなくモヤモヤしていたので
ネットで検索したら大きな失敗をしていたことに
ようやく気付いて友人に即電話しました。
そして、リベンジで再び出雲大社へ行きました。
![](https://akirakarin.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_0411.jpg)
もう、全然違う、圧倒的存在感。
なんかちょっと笑っちゃうくらい。
でも、2回出雲大社に行けたことと
今思えば良い思い出になってるので
結果良しです、うん。
とはいえ、ぼくはこれ以外にももう一つ
やらかしていることがあります。
両親に富士山を見てもらいたくて6時間くらい
かけて京都から車で行ったんだけど
雲がかかってて全くみられなかったんです。
それでも、裾野はギリギリみられたので
それを背景に両親と記念写真とか撮って
帰りました。
![](https://akirakarin.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_0274.jpg)
たぶん、写真を見て気づいた人もいると思います・・・。
これは、富士山の横にある山です。
ただ、家族全員富士山をリアルで見たことがなく
富士山は完全に雲で覆われていて裾野すらみえなかったので
これが富士山だ!って信じて疑わなかったです。
後日、天気と季節に注意して観に行ったのですが、
![](https://akirakarin.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_0303.jpg)
圧倒的存在感!大きさが全然違う。
さすが霊山と言われるだけあります。
でも形だけだと似てなくもなくないですか?
諦めずにもう一回見に行って良かったなぁと
思いました。マジ富士山ヤバかったです。
こんな致命的な失敗を何度もしているんですが、
決して、事前準備を全くしていないわけではないです。
ナビがあるとはいえ、高速道路の確認とか、
どこで休憩して、どこでご飯食べてとか、
色々調べて行った上での出来事。
無知と思い込みって怖いです。
仁和寺にある法師の気持ちが凄くわかります。
時空を超え握手して気持ちを分かち合いたいです。
ほんと、少しの事でも先達はあらまほしき事なり、ですね。