*2023年5月参拝*
大田神社(おおたじんじゃ)は京都市北区上賀茂本山に位置する古社で上賀茂神社の摂社です。延喜式神名帳に記載され恩多社とも呼ばれています。天女命(あめのうずめのみこと)が御祭神で天岩戸開きの際に神楽を舞った神様として有名です。その御神徳を慕って芸能上達を願い参拝される方が多いです。賀茂に於ける最古の社であり、鎮座年代は不詳で上賀茂神社より古いとされています。賀茂県主族の移住以前より農民から長寿福の神として信仰されていました。境内東側の沢地を大田の沢(おおたのさわ)には国指定天然記念物である野生のカキツバタの群生地があり5月中旬には濃紫色の花が見頃を迎えます。
藤原俊成(ふじわらのとしなり【しゅんぜい】・平安時代後期から鎌倉時代初期の公家・歌人)の古歌に詠われています。
「神山や 大田の沢のかきつばた ふかきたのみは、色にみゆらむ」
藤原俊成
【解釈】神山(上賀茂神社の御降臨山)の近くに在る大田神社のカキツバタに
(人々が)よくよくお願いする恋事(いろ)は、なんと一途(一色)で美しく可憐なのだろうか、この花の色のように
この歌より、平安時代後期からこの地にカキツバタが咲きみだれて名勝であった事がわかる。
このカキツバタの群落は昭和14年に国の天然記念物に指定されています。
月次祭で毎月10日夜に里神楽を奉納されているそうです。里神楽は京都市登録無形民族文化財で日本の最古の形を残した舞として知られています。
所在地&アクセス
〒603-8047 京都府京都市北区上賀茂本山340
アクセスは市バス上賀茂神社前から徒歩10分です。
こちらは上賀茂神社の鳥居前です。
やきもち屋さんの前の道を東方面へ歩いていきます。
徒歩で10分なら近いですね。
綺麗に整備された道で散策にはもってこいです。
歩いている途中に上賀茂神社末社の藤木社があるんですが何やら作業中でしたのでそのまま大田神社へ向かいました。
普通の民家がある道になってきました。
まっすぐの道なので迷いようがないので安心です。
大田神社前の交差点に着きました。
この交差点を北方面(山側)へ向かいます。
先の方に神社らしきものが見えてきました。
標識を見逃してしまうと分かりづらいので注意してください。
大田神社の石柱があるので安心です。
観光案内図を見てもちょっと山寄りにある事がわかります。
摂社というには大きな神社だと思います。
天然記念物のカキツバタの石柱が立っています。
ちょっと覗いても見えるんですが今回は拝観させていただきました。
2023年5月時点では300円の協力金で拝観できました。
無人なのでこちらにお金を入れました。100円玉持ってて良かった…。
ちょうど5月だったのでカキツバタの花が見られて良かったです。
カキツバタを見終えて神社の方へ進んでいきます。
タゴガエルというカエルがいるみたいです。そういえば鳴き声がするような。
大田神社の湧水でしか生きられないみたい。綺麗な水じゃないとダメなんですね。
なんだか風情のあるお庭。
本殿が見えてきました。
末社
大田神社自体は上賀茂神社の摂社なのですが近くに末社がいくつかあります。
まずは白鬚神社です。本殿前なのでわかりやすいです。
老後安泰の神様。なんだかいい響きです。
こちらは百大夫神社。船玉神が祀られています。
こちらは鎮守社。大国主神。少彦名神。氏子の守護神、目の神。
神社の鳥居をくぐるまでにも末社がありました。
福徳神社です。幸運の神、足腰の神です。
本殿
普段は置いてないんだろうけどこの時はお神輿が置いてありました。
お神輿を近くでじっくり見られるのは貴重ですね。
願い事の小真木もありました。無人なので100円玉は必須ですね。
じっくりお参りさせていただきました。
大田の小径
本殿の西側に何やら看板を見つけたので行ってみました。
大田の小径って書いてあるけどなんなんだろう。そのまま進んで行ってみます。
ん?普通の道に出てきました。山側に行ったらいいのかな。
どんどん細くなっていくのでちょっと不安。確かに小径です。
この先は山への登り口みたいです。ちょっと人気も少なそうなんでこの辺くらいまでにしておこう。山登りは軽装では危険ですし初めての場所なんでやめておきます。
今回は神社参拝でしたのでこのまま下って神社入り口方面に出ました。安全第一です。
北大路魯山人生誕地の石碑
神社とは関係ないんですが、大田の小径を下った先に北大路魯山人生誕地の石碑がありました。
北大路魯山人は有名な陶芸家で、美食家でもあり漫画・『美味しんぼ』の作中に登場する海原雄山は魯山人がモデルです。
大田神社は上賀茂神社の摂社ということで今回参拝しました。上賀茂神社から徒歩で10分ほど離れていることもあって比較的観光客も少なく静かな雰囲気で落ち着いた歴史の深みを感じさせる場所でした。参拝したのは2023年5月なので1年半ほど前。ちょっと状況は変わっているかもしれないですが参拝の参考になれば幸いです。何度も上賀茂神社に来られた方は少し足を伸ばして行ってみるのも違った雰囲気が味わえて良いと思います。