醍醐寺は京都の世界遺産であり、豊臣秀吉が愛した名所として知られています。
前回は三宝院・霊宝館の紹介【世界文化遺産・国宝】醍醐寺 前編【三宝院・霊宝館エリア】させていただきましたが
今回は本丸とも言える伽藍エリアです。国宝の五重塔は951年創建。京都最古の木造建築で国宝に指定されています。高さは38mで内部には日本密教絵画の源流とされる曼荼羅が描かれています。
同じく国宝の金堂には本尊「薬師如来坐像」が安置されています。豊臣秀吉により再建されました。
春には桜の名所として知られており、700本の桜が咲き誇ります。太閤しだれ桜が有名。
秋は紅葉が美しく弁天堂付近では逆さ紅葉が見られます。
所在地&アクセス
〒601-1325 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
アクセスは前回記事【世界文化遺産・国宝】醍醐寺 前編【三宝院・霊宝館エリア】参照
西大門(仁王門)
醍醐寺総門からまっすぐ進むと西大門(仁王門)が見えてきます。門の間から見える紅葉が美しいです。
仁王像(金剛力士像)は平安時代後期の作で重要文化財に指定されています。
醍醐寺の西大門(仁王門)は1605年に豊臣秀頼によって再建されました。この門には1134年に仏師の勢増と仁増によって造られた金剛力士像が安置されています。
もともと南大門(再建されなかった)にあって金剛力士像は醍醐寺再興事業の際に修理され現在の西大門(仁王門)に移されました。体内の墨書、納札等に南大門から移された経緯が書かれています。
この門をくぐると、下醍醐伽藍への入り口(拝観受付)となります。拝観料は季節や拝観場所、特別拝観などにより異なります。共通券【通常期】(三宝院・伽藍の二箇所)で1000円です。
両脇の紅葉が美しいです。
以前は大木に覆われていましたが平成30年9月4日に近畿地方を直撃した台風21号は、醍醐寺にも甚大な被害を及ぼしました。その被害は、下伽藍から上醍醐に渡り、3000本に及ぶ倒木と、醍醐寺を取り巻く白壁堀をはじめ、南門や下醍醐清瀧宮などの建造物にも及び、被害総額は4億6000万円にのぼりました。
醍醐寺では自然の猛威を謙虚に受け止め次世代に伝えるべく復旧していきたいと考えているそうです。
清滝宮
清滝宮も重要文化財です。現在の社殿は1517年に再建され、1599年、座主・義演僧正により拝殿の整備が施されました。
金堂(国宝)
醍醐寺の金堂は平安時代末期926年に創建された建物です。重要な仏教建築で国宝に指定されています。薬師如来坐像が醍醐寺の本尊です。度重なる火災で焼失し現在の金堂は豊臣秀吉によって紀州(和歌山県)湯浅から移築され秀頼の時代1600年に完成しました。
金堂は横7間、奥行き5間の入母屋造りで本瓦葺きの屋根を持っています。
醍醐寺中心のお堂であり内部には醍醐寺の本尊である薬師如来坐像が安置されています。この像も重要文化財に指定されています。
金堂の建築には平安時代から桃山時代までの様式が混在しており、各時代の特徴を感じることができます。
五重塔(国宝)
醍醐寺の五重塔は951年に完成した京都府最古の木造建築で国宝に指定されています。
この塔は醍醐天皇の冥福を祈るために計画され936年に着工されましたがさまざまな事情で工事が停滞し、約20年後に完成しました。高さは38メートルでそのうち相輪が13メートルを占め安定感を与えています。
塔の内部には両界曼荼羅や真言八祖の壁画が描かれており日本絵画の源流とされています。
1585年の地震で被害を受けましたが豊臣秀吉の支援により修繕されました。
五重塔は通常外観のみの拝観ですが毎月29日には特別な法要が行われ写経奉納者は内部を拝観することができます。写経受付(清龍宮拝殿)でお申し込みいただけます。(奉納料必要)
不動堂
醍醐寺の不道堂は金堂と真如三昧耶堂の間にあり、不動明王を中心に五大明王(不動明王・降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛夜叉明王)を安置しています。
堂前の護摩道場では、柴燈護摩が焚かれ世界平和などを祈願する儀式が行われます。
不動堂は874年に醍醐寺を開創した理源大師・聖宝によって創建されその後、多くの改修を経て現在に至っています。
真如三昧耶堂
こちらは真如三昧耶堂で朱雀天皇の御願により法華三昧堂として天暦3年(949)に創建。1470年に焼失。平成9年(1997)にとして建立されました。
祖師堂
祖師堂は1605年に当時の座主であった義演准后(ぎえんじゅごう)によって建立されました。
この堂は真言宗の開祖である弘法大師(空海)とその孫弟子で醍醐寺を開創した理源大師・聖宝を祀っています。
堂内には弘法大師(空海)と理源大師・聖宝の木造像が安置されています。
日月門
日月門は1930年に醍醐天皇一千年御忌を記念して山口玄洞居士によって寄進されました。
このまま進んでいくと上醍醐方面に行けます。
観音堂
本尊は丈六の阿弥陀如来坐像です。
元々はこちらの建物は大講堂と呼ばれていて観音堂の立て看板の横に古い看板も建てられています。
観音堂は西国三十三所第十一番札所でもあるのでたくさんの方が御朱印をもらいに並んでいました。以前は山の上の上醍醐の伽藍に札所があったので険しい札所と呼ばれていました。平成二十年八月二四日の落雷で観音堂が全焼したため現在は納経所はこちらになっています。
この観音堂を中心に広がる、林泉及び弁天堂、鐘楼、伝法学院等を総称して大伝法院と呼びます。これら諸堂は、醍醐天皇一千年御忌を記念し、1930年に山口玄洞居士よって建立されました。
秋に醍醐寺に来るのは初めてなのですが紅葉の素晴らしさが際立っていました。
弁天堂
弁天堂は弁天池の辺りに立つ美しい建築物でこちらも山口玄洞居士によって建立されました。
朱塗りの弁天堂と水面に映る紅葉が美しく紅葉の名所となっています。
外国の観光客の方がたくさん写真や動画を撮ってました。SNS映えする場所です。
五重塔の時も同じような場所で外国人が写真を撮って集まっていたのでなんでかなと思ったらネット上にその場所らしきところで撮った写真が載ってました。
弁天堂は財運や芸術の神として知られる弁財天を祀る堂です。
周囲に無量寿苑という庭園が広がり、滝や苔庭が美しい景観を作り出しています。
この辺は人が少なくて森林浴的な感じで心が落ち着きました。
上醍醐
上醍醐の伽藍は登山になるので今回は行かなかったです。
元気なうちに行こうとは思っています…。
子供の頃、ハイキングで来たことがありますがかなり疲れた記憶があるのでなかなか足が進まないです。
再入場はできないので引き返しました。
醍醐寺の参拝は広大な境内に国宝の金堂や五重塔など見どころが多く西国三十三所第十一番札所でもあり京都の主要な観光地からは離れているものの観光客が平日にも関わらず訪れていました。桜の季節が特に有名な醍醐寺ですが紅葉もなかなかでした。池に映る紅葉が印象的。アクセスはやや不便ですが他の紅葉の名所に比べ比較的静かで落ち着いた時間を過ごせました。